神戸・垂水区再発見〈塩屋・ジェームス山の洋館〉(後編) |
一旦坂を下りて塩屋駅のあたりに行ってから、旧グッゲンハイム邸を目指す。
南へ出れば須磨へと続くニコク(国道2号線)、北へ出れば高架に沿って続くささやかな商店街があるばかりだ。バスのロータリーもなければチェーン系のファストフード店もない。それゆえか昭和的な古い個人商店が点在していてなかなかハートウォーミングでもある。
細い住宅街の道を行けば、すぐに坂道ばかりになる。そしてその坂道でふと南を見れば、穏やかな海を船がいくのが見える。いいところだ。
くねくねと路地を歩いているとすぐに旧グッゲンハイム邸に至る。北野にあるような洋館と比べてもかなり大きい部類だ。
旧グッゲンハイム邸の文字通り目の前に山陽電車の線路がある。
旧グッゲンハイム邸の向いの山の斜面には赤い縁取りがかわいらしい旧後藤邸が立っている。
旧グッゲンハイム邸と同じく明治時代に建てられたが、こちらは現在非公開。神戸市の所有になっているらしい。月イチでいいから公開してくんないかなあ。景色も良さそうだし。
線路を渡って迂回して高架をくぐり(なかなか面倒だ)、国道に出る。
最近保存運動のことで気になっていた旧ジョネス邸(旧なんとか邸ばかりですね)を見に行こう。
でもそれも9月末が最終期限で、3億6千万円で(うっひゃ〜)売却できなければ10月上旬には工事を始めるらしい。
う〜ん、もしそうなったら本当に悔しい。この近辺では須磨離宮前のヴォーリズ建築、旧室谷籐七邸を2007年に失ってしまったという苦い経験がある。登録有形文化財だったにもかかわらず、だ。この時はM井不動産レジデンシャル(ほとんどイニシャルの意味ないけど)だったが、デベロッパーの小汚い札束の力で大切な風景がなくなってしまうのは本当にやるせない。
どうにかうまくいって欲しいけど…
国道沿いには、知ってる人は知っている、チーズケーキがウリのシーホース。
歩道橋から見る、旧グッゲンハイム邸と旧後藤邸。
旧グッゲンハイム邸のような建物に今も会える幸運を、それを守り続ける人々に感謝しなければならない。せめて今あるものが良い形で継承されていくことを切に願う。
今回は天気も良くなかったし旧グッゲンハイム邸にも入れなかったので、塩屋歩きはまた別の機会にリベンジしたいと思います。旧グッゲンハイム邸は毎月一般公開もされているようだからその時に合わせて。
秋頃かな。その頃には旧ジョネス邸の結論も出ているだろう。
おわり
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