山口&広島の旅(4)曇天の文化財めぐり、広島再び |
今にも雨が降り出しそうな山口の町で、駆け足のレンタサイクル観光。
これは旧藩庁門。
萩藩(長州藩)13代藩主毛利敬親が幕命を無視して藩庁を萩から山口に移した時の門だそうだ。1864年のものということなので、高杉晋作なんかも通ったのかな。
藩庁門の奥には、現在の政治の中心である県庁舎があり、その横にはかつての山口県庁舎(現在は山口県政資料館)が残されている。
電車とレンタサイクルの時間を考えるとあまりのんびりもしていられないので、先を急ごう。
いよいよ山口観光のハイライト、瑠璃光寺だ。
静かな町を抜けて行くと…おお、有名な五重塔が見えてきたぞ。
でも感動を味わいたいのであんまり見ないようにして回り道して行こう。楽しい旅にはこういう演出もまた重要なのである。
薄暗い林の中を進むと、ついに瑠璃光寺五重塔。
奈良の法隆寺、京都の醍醐寺とともに日本三名塔に数えられている美しい塔をご覧あれ!
これだ!
瓦屋根ではなく檜皮葺屋根。柔らかい自然の茶色が味わい深い。
みたいなことばかり言っていると、20代なのにどんどんじじむさくなってくる気がするけど、まあいいや。美しいものは美しいのだ。
こちらが瑠璃光寺の本堂。
1690年からこの地にある曹洞宗の古刹だ。
かの司馬遼太郎先生も、瑠璃光寺の五重塔を絶賛!
五重塔の裏の山に少し遊歩道があり、塔を背後からも激写することができる。
ざらざらした檜皮葺屋根のテクスチュアが面白い。
定番のアングル。
この前にはボランティアガイドの人も(やたらたくさん)スタンバっておられるので、時間がある人はガイドを頼んでみるといいだろう。
静かな山に抱かれた西の京のシンボル、瑠璃光寺は情緒があってなかなかよろしかった。
曇天が残念だったけど、まあこれはこれで趣があったと思うことにしよう。
ぜいたくは、いけない。
自転車で駅方面に戻りながら、途中にある名所旧跡をはしご。
西国一の守護大名であった大内氏は、憧れの京の都に倣って山口の町を造営した。
そのため当地には雅やかな大内文化が花開き、京都を模した名所が随所に残されている。
例えば鴨川に見立てられたこの一の坂川。
大内弘世が京から姫君を妻に迎えたとき、京の都を懐かしむ姫を慰めるために、宇治から取り寄せて放したゲンジボタルが土着した、と伝えられているそうだ。雅な話だけど、ほんまかなあ。
名前からしてもろ京都、な八坂神社。
名前だけでなく実際に大内弘世が京都から勧請したという由緒正しい神社だ。しかもちゃんと祇園祭まであるらしい。
僕も京都は大好きな街なので、自分がもし大内氏だったら同じようにミニ京都を作っちゃうかもね。
なでかたですねん…
八坂神社の近くにこんな鹿鳴館的写真館が!
重要文化財レベルじゃ。
大内氏、毛利氏にゆかりのある龍福寺。
山口市内では萩みたいな大規模な古い町並みは残されていないが、こんな一角もある。
古民家をギャラリーやショップに再生しているようだ。淡路島でもあるけど、全国的にそういうものに目が向けられる時代になったのは本当にいいことだと思う。
さあて、当ブログでは毎度おなじみ、ご当地グルメの時間がやってまいりました!
山口と言えば、ちょっとマイナーだけど「バリそば」を食べないわけにはいかない。
今回お邪魔したのはこちら、春来軒。
とかなんとか能書き言うより見た方が早いか。
ほれ、これじゃ!
わざわざ食べに行く食べ物というよりは、(店内の常連さんたちの姿からも分かるように)ヘビーローテーション日常系グルメ。
近所にあったらちょくちょく行きたい感じだな。
さあて、今日はこれから神戸まで帰らなくちゃならないし広島で晩ご飯も食べたいから、山口とはこのへんでお別れ。
山口はしっとり静かでいいところだった。
松江もそうだけど、こういう「田舎だけど文化がある」県庁所在地ってなかなかいいものだ。「そこそこ都会だけど文化がない」県庁所在地よりはよっぽどいいね。
山口→新山口乗り換えで山陽本線を東へ。
午後になって雨が車窓を叩き始める。山口でもぽつぽつ弱い雨が降ったりしたけど、概ね濡れずに観光できたのは良かった。あとは降ったり、止んだり。
夕方広島駅に到着。
新幹線口の方を少しぶらぶらしてみた。
むさしの山賊むすびも気になったけど…
少し早めの晩ご飯はもちろんご当地グルメで。
近年広島名物として定着しつつある広島つけ麺。新幹線口にはチェーン店のばくだん屋がある。
最後はベタ〜にもみじ饅頭を購入!
二度目の岩国は盛り上がりに欠けたけど、毎度楽しい広島と、しっとり風情ある山口はなかなか面白かった。
おわり
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