アメリカ横断旅行記(16)魔都・ニューオリンズに酔わされて |
寝たり起きたりしているうちに、車窓は朝。
今回は隣に誰も座らなかったのでかなりくつろげた。
そういえば、シカゴからあまりアジア人を見なくなった。僕の車両もほとんどが黒人だった。ビクトリアには黒人が少なかったから、こういうのでアメリカを感じる。
う〜ん…ニューオリンズに着いたらうまいもん食べよう。
紅葉した森を抜けたら、緑が濃くなって、サバンナみたいな平原を過ぎると、ワニのいそうな湿地帯へ…季節を逆回りして、途中から別の南の国に入ったみたいで面白い。
3時半にニューオリンズに到着!
長い道のりだった。
地図で見るとこんな感じ。
DのシカゴからEのニューオリンズまで、青森から鹿児島までくらいの距離だ。
つくづくデカい国だと実感する。
外に出るとこの青空!
そして全然寒くない。Tシャツやらタンクトップやらの人もいる。
僕はシカゴまでお世話になったジャケットとマフラーをカバンにしまい込んで、街の中心部へと向かった。
名前の通り、18世紀のフランス植民地時代の名残をとどめる、なんともアメリカらしくないエキゾチックな雰囲気だ。
しかし現在の街並みは、その後入植したスペイン人によって形作られたものらしい。こういう複雑な歴史を持った街は、歩いていてとにかく面白い。香港然り長崎然り。
僕が今まで見て来た北米の街とは全然違う。
ここには何かしら別の、異教的な神様がいるような気がする。
ニューオリンズはケイジャンと呼ばれる独特の食文化が発達した街で、アメリカでも例外的に郷土料理のようなものを楽しめる。
ちゅーわけで、滞在中はニューオリンズのご当地グルメをこれでもかと食べ歩いた。
まずはこちらの素敵なレストランでいざ実食!
ここはサーバーさんの感じがよくて、アメリカ横断旅行のことを少ししゃべったりした。
色んなスパイスを使った濃厚なスープで、オクラのねっとり感がなんともやみつきになるうまさ。
ジャンバラヤはニューオリンズ風のパエリヤみたいなもので、この街のシグネチャーフードとなっている。曲の名前にもなってましたね。魚介類のコクが効いててうまかった〜
お店を出て、夕暮れのフレンチクォーターを散策。
雰囲気良過ぎてもう…
バーやライブハウスやアダルトショップや、その他色んなネオンが妖艶にきらめき始め、歩いているだけで心が浮ついてきてしまう。アメリカでこんな千と千尋的異世界(?)が味わえる場所なんて、ニューオリンズ以外にない。
これだけの生の音楽を一度に聞くことってなかなかない。
なんだか目眩がしそうなほどの圧倒的な臨場感だ。
街の喧噪を一旦離れて、ミシシッピ川の方へ。
観光客が必ず訪れるニューオリンズの名物店、カフェデュモンドで休憩しよう。
日本でもチェーン展開してて京都駅とかにもあるけど、やっぱ本場は違うなあ。
カフェオーレとフランスの揚げドーナツ、ベニエ。
粉砂糖で食べにくいけど、これがまたうまい。
結局のところ、どんなものでも自分の目で確かめてみないと何も言えないですね。
のんびりしてから、再びふらふら、ネオンと音楽に誘われてバーボンストリートへ。
有名なジャズクラブ、メゾンバーボン。
中に入らなくても、外から覗いて十分堪能できる。っていうか、満員で入れなかった。
温かみのある演奏といい会場の一体感といい、素晴らしかった。なんかダイレクトに心に来る。
それぞれのソロパートでも遊んで盛り上がる。
ジャズはやっぱり即興が楽しい。
あ〜、ええもん聴かせてもろたわあ〜
この街は夜が更けるにつれて、どんどん人が増えてエキサイトしていく。
全然違う場所なのに、阿波踊りや祇園祭の夜を思い出す。
ここでは毎晩がお祭りだ。ネオンの洪水と溢れ出る音楽が、麻薬のように人々を酔わせてしまう。
ぬぬぬ、一体何が行われているのだ!?
こういうの見ると、なんだかビクトリアからずいぶん遠い所に来てしまったなあという気がする。
このようにして、あきれるほどクレイジーなニューオリンズの夜は更けていくのであった…。
今日はニューオリンズらしさ満載のこの一曲。
バンク・ジョンソン&ヒズ・ニューオリンズバンドで、When the Saints Go Marching In(聖者の行進)...
つづく
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