(雑記2014)7月16日 うなぎについて |
そう言えば、USJはハリーポッターのエリアがオープンして大盛況だったみたいですね。僕は何につけても並んで待つのが大の苦手なので、想像しただけで疲れてしまうけど。
さて。
せっかく大阪まで出てきたので、まむしを食べることにした。
ま、まむし?
何、驚いちゃあいけない。
まむしと言っても、もちろんあの毒蛇のことではない。
うな丼のことである。
これが、まむし。
オイッ! うな丼を頼んだのに肝心のうなぎが乗ってねえじゃねえか、てやんでい!…と江戸っ子なら怒り出すかも知れないが、何、慌てちゃあいけない。
うなぎはご飯とご飯の間にちゃあんと挟まれている。まむしとはつまり「間蒸し」ということだ。
縦に箸を入れると、中からええ塩梅に蒸されたうなぎちゃんが出てくる。
コニチワ〜
ここの女将さんが気さくで、早い時間で他の客がいなかったこともあって、色々とお話して下さった。
お店の歴史は半世紀にもなり、多くの常連に愛されているようだ。「常連さんはいい方ばかりですよ。最近はインターネット見て来られる方もいてて、感謝感謝ですわ」
オフィス街で50年もやっているので、新入社員だった常連が、気がつけば定年退職、というようなこともあるのだという。街の灯火のような店だ。
なぜか東アジア情勢やら結婚について(「見た目のきれいな人やなくて、心の美人を選ばなあかんよ」)お話したりして、機嫌良くお店を出た。半分くらい食べたところで女将さんがどさっとご飯を追加してくれたので、お腹ぱんぱんになっちゃったけど。
やっぱり大阪の街場はこうだよな、うん。
巨大スーパーチェーンや牛丼などの外食チェーンで安価なうなぎが大量に出回っているのは、僕たち一般人がそれを良しとして買うからだ。でも僕は思うのだけれど、うなぎなんてものは本来、日常的に「消費」するものではなく、もう少し祝祭的な食べ物であるはずだ。「よし、今日はうなぎでも食うか」みたいな。
だからうなぎを食べる時は、街のうなぎ屋に食べに行く。
今回の「伊賀喜」にしても、以前行った浅草の「色川」にしても、店主と常連とが代替不可能な「場」を作り出していた。そういう場がある限り、街は機嫌のいい場所であり続けるだろう。僕は街場がずっとそういう場所であって欲しいと思う。
全日本ユニクロ的マクドナルド的な閉塞状況で、僕たちはものを買うことに対してもう少し意識的になるべきではないだろうか。
うなぎと、街のゴキゲンなうなぎ屋を守るために。
おわり
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