ビクトリアの和食の続き。
前回紹介ぶんは日本人経営のリアル和食が基本だったが、後編は現地仕様の進化系日本食を中心に紹介する。
世界的な状況ではあるけれど、海外の日本食は中国人・韓国人など日本以外の東アジアの人たちが展開する店が数多くある。そういうお店の日本食は現地の人たちの嗜好に合わせながら、本国とはちょっとズレた形で独自の進化を遂げている。「こんなの和食じゃない! 」と目くじら立てる人も結構いるけれど、そもそも食のあるべき姿なんてあるわけじゃないし、スパゲッティナポリタンや中華丼やアンパンを生み出した我々日本人がとやかく文句を言う筋合いはない。おいしけりゃあいいじゃないですか。
(1)Edo(江戸)
留学生にはおなじみ、ダウンタウン中心のモール・ベイセンターのフードコートにある。初めて見た時は結構衝撃的だった。江戸! 何屋と言えばいいのか説明するのはちょっとややこしいんだけど、鉄板焼きのご飯のせ、みたいな感じ。注文するとお店のおっちゃんが鉄板の上で肉や野菜を(お好みで使うコテみたいなので)炒めてご飯にのせて、テリヤキソースをかけてくれる。これが意外に結構うまいんだな。
メニューはこの通り。焼きそばやうどんもあるけど、当然日本のそれとは似て非なるもの。
これ何だったか忘れた。スキヤキビーフかな?
スペシャルベントーボックス。カリフォルニアロールと春巻きがついている。
(2)Umi Sushi(海寿司)
こちらもベイセンターのフードコート。アボカドやヤムイモを多用した健康的なロールが多く、現地カナディアンに人気がある。ちょっとしたワケがあっていただくことが多かった、個人的にはなつかしい寿司。ダウンタウンでは珍しく安く手軽に寿司ロールをテイクアウトできるので、インナーハーバーに持って行ってのんびり食べるのもいいかも知れない。
北米では時折見かける、外側を揚げた仰天寿司ロール…。日本の店にはない発想だけど、これはこれで結構クセになる味だ。
サーモン以外の生魚に抵抗がある人もまだ多いのでフライ系の寿司も多く見る。子どもにもウケそう。
(3)Shiki Sushi(四季寿司)
ブランシャードにある非日本系寿司レストラン。内装は割とスタイリッシュ系な感じで30〜40代の客が多い印象だが、日本人はあまり見かけない。個人的にここの寿司が結構好きで何度か行ったけど、レンゲを使って味噌汁を飲むというのはなかなかシュールだ(北米ではこのスタイルが多い。ちなみに「スープ」という概念なのでメインが来る前に味噌汁が運ばれてくるところもかなりある)。
ブリティッシュコロンビアのご当地寿司、BCロール。サケの身とカリカリに焼いた皮が巻かれ香ばしい。
これ何だか分かりますか? お好み焼ではありません、その名は寿司ピッツァ。平たく広げたすし飯を揚げてピザ状にカットしアボカドなど具材を散りばめてタレをしゃしゃしゃーっと編みがけ!ついにポストモダンの領域まで華麗に転身したネオ・ジャポニズムの傑作であります。必食。
基本的にお店の悪口はネットでは書かないと決めているけれど、ちょっとしたアドバイスを。四季寿司で蕎麦を頼んではいけない。ダシにはなんの風味も味もない。四季寿司自体はおいしいので、蕎麦はハズして楽しむことをおすすめします。
1113 Blanshard Street
BC Victoria
(4)Shima Sushi(しますし)
インナーハーバーの観光エリア、ワーフストリートにある寿司ダイニング。こちらもちょっとスタイリッシュ系で、大人の客が多い。現在経営は中国系っぽいが、内容はなかなか凝っている。寿司はもちろん丼ぶりや日本のお酒・ビールも豊富に揃うのでバー使いもあり。僕は一度しか行かなかったけどBENTO BOXはなかなかおいしかった。特に唐揚げ。
1218 Wharf Street
Victoria BC
このほか、SAKURA、Sushi Plus、KOTO、Japanese Village、Ebizo、Azuma Sushi、YOKOHAMA…挙げればキリがないほどビクトリアにはジャパニーズレストランがいっぱいある。この中で行ったことがあるけど写真がないものやおすすめできないものもあるので、ここでは紹介はしないでおこう。
北米全般に言えることだけど、中華だかコリアンだかアジアのメニューがごっちゃになってるとこ、あるいはカナダ人アメリカ人が考える東洋趣味で内装がヘンな凝り方(仏像とかさ)があるお店はハズレ率が高いので、参考までに。
ま、変な和食が出て来ても話のネタになるからそれはそれでいいかもね。
おわり
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