カナダ・ビクトリア生活&観光(16)自転車でめぐる秋景色(3) |
アメリカ西部の観光ポスターみたいな景色。
ずっとアメリカかぶれで来たわしにゃあたまらんな。
ハイウェイのすぐそばを並走。
カボチャ畑に長居しすぎて結構いい時間になってしまった。腹減った…
日本と大きさあんま変わんないのに(まあ飲みもんはデカいけど)値段は割高。やっぱバーガーキングの方がいいなあ。
現在地。
まだ北へ向かうぞ。
この1ヶ月以内にアメリカに渡ることになるけど、飛び立つのはこの空港ではない。今のところこの空港を利用したのはあの一回きりということになる。
空港を出てまたしばらく走ると、折り返し地点のシドニーに到着。
シドニーはサーニッチ半島北部の中心で、海辺の保養地の雰囲気漂う静かな町。
街路樹のカエデもいい感じ。さすがはメイプルの国だ。
ナイトマーケットなどイベントがある時以外はとにかく静かで穏やかなところだ。
自転車で久しぶりに長距離走った疲れで、しばらく海辺でぼんやりしてしまった。
まだ5時くらいだったけど、途中で食べるとこもあまりなかったし、ダウンタウンに戻るまでにまた腹ぺこになってしまうだろうということで、フィッシュ&チップスの店へ。
人気のお店らしく割に混み合っていた。
ハリビュート(オヒョウというヒラメみたいなデカい魚)のフィッシュ&チップスとガーデンサラダを注文。
サクサクでうまい!けどチップ込みで会計は結局17ドルにもなった。ビクトリアの食べ物はおいしいけど、北米の他都市に比べて高くつくのがちとツラい。量も控えめだし。NYCなんか安ウマいっぱいあるもんなあ…
レストランを出ると、もう陽がかなり傾いている。
あんまりのんびりしていると暗くなってしまう。急ごう。
カエデの並木も闇に覆われようとしている。
影になると一気に空気が冷たくなる。ビクトリアに少しずつ冬が忍び寄っているらしい。
ほとんど写真も撮らず、ひやりとした風の中をひたすら南へ走る。
行きがけに通ったあのカボチャ畑までやってきた。
日が暮れるとこのカボチャたちが本当の姿を現して…というナイトメアなことはもちろん起こらなくて、代わりに自転車で旅をしているおっちゃんに「ダウンタウンまではどのくらいかなあ」なんて話しかけられた。おっちゃんはたぶん本土側からフェリーで渡って来たんだろう。
おっちゃんはだいぶ疲れていたのか、僕が結構飛ばしてからふと振り向くと、かなり後ろの方に留まっていた。
それにしてもこのカボチャ畑、どこか現実ではないものを見ているような気になる。
いよいよ世界が夕闇に包まれ始めた…。さすがに焦ってスピードを上げたけれど、太陽の闇が迫る速度には勝てない。
そういう中にいると、普段は飼いならされている動物的な感覚が鋭敏になったようで、不思議な感覚だった。異国の暗い森の中をひとり走るという行為は、そういう小さい頃に置いて来たような感覚を呼び戻してくれる。
怖いような、でもどこか甘いような、懐かしい感じ。
森を抜け、行きがけに通った水鳥の池を過ぎれば、ダウンタウンまではすぐそこだ。
結局なんということもなく無事に帰れたんだけど、夕暮れの農地や森を走ったときのあの不思議な感じは、1年経った今でも強く印象に残っている。
僕があの時通りぬけた闇は、今もあのままあるはずだ。味わってみたい人は行ってみるといい。
おわり
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